契約不適合責任とは?期間や注意点も併せて紹介します!
契約に合致しない商品を渡した場合に負う必要がある責任のことを契約不適合責任といいます。
不動産売却時にも深く関連するけれど、複雑で理解しづらい方も多いのではないでしょうか。
今回は、契約不適合責任について該当期間などを含め詳しくご紹介します。
□契約不適合責任と瑕疵担保責任は何が違う?
そもそも、契約不適合責任とは売買契約の際に発生する責任のことを指します。
この責任は、民法によって規定されています。
売られた商品が契約した内容と異なった際に売主が負う責任であり、売買契約する上で重要なものです。
同じく、売買契約に関する責任として瑕疵担保責任という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この2つは似ているようですが、異なった制度です。
契約不適合制度は、民法が改正されたことで2020年に作られました。
それ以前に売主の責任を追及するために規定されていたのが瑕疵担保責任です。
つまり、瑕疵担保責任が改正民法によって契約不適合責任へと名称を変え、進化したのです。
では、具体的に変化したポイントは3つです。
*責任を追及できることが増えた
契約不適合で追及できる責任は以下の4つです。
・損害賠償請求
・契約解除
・追完の請求
・代金減額請求
元々、瑕疵担保責任で追及できたのは、損害賠償請求と契約の解除のみでした。
一方で、契約不適合責任では、新たに2つの責任を追及できるようになりました。
追完の請求が加えられたことで、契約内容に適合するよう不備の修補や代替物、不足分を請求できます。
加えて、代金の減額が不適合の程度に合わせて請求できる代金減額請求も新たに可能となったのです。
*特定物と不特定物に対象になるものの範囲が広がった
瑕疵担保責任の対象は、特定物に当てはまるもののみでした。
特定物とは、具体的にものを特定して取引を行うものを指します。
例えば、中古住宅や中古車が、特定物に当てはまります。
場所や使用条件があらかじめ決まっており、代替できるものがない、そのものが特定されるのが特定物です。
この特定物と対照的なものとして不特定物があります。
契約不適合責任においては、責任の対象に不特定物も加えられ、責任の対象となる範囲が広がりました。
*責任の対象になる不備が隠れた瑕疵から契約内容不適合へ変化した
契約の内容を満たしていないものは全て契約不適合責任の対象となります。
しかし、瑕疵担保責任では責任の対象となるのは、隠れた瑕疵のみでした。
買主が見つけられなかった瑕疵を隠れた瑕疵といい、これを証明することの難しさが問題の1つでもありました。
契約不適合責任では、瑕疵担保責任と比較すると責任の対象となる不備が変化し、よりシンプルになったのです。
□契約不適合責任に該当する期間はどれくらい?
契約不適合責任を負うべき期間は、契約不適合が何に対して発生したかによって異なります。
まず、契約したものの数や権利が異なる場合には消滅時効に沿った期間になります。
消滅時効は、通常、権利を使用できると知った時から5年間、権利を使用できる時点から10年間です。
次に、契約したものの種類や品質が異なる場合です。
種類や品質が契約内容を満たしておらず、売主の責任を追及したい際には、買主が売主に不適合に気が付いた時点から1年以内に知らせる必要があります。
ただし、1年以内に行う必要があるのは売主に契約不適合を知らせることのみです。
具体的な請求は1年以内に行う必要はなく、消滅時効より前であれば良いのです。
□契約不適合責任において注意すべきこととは?
*売主が責任を問われないためにはどのようなことに注意する?
まず、売主は売りたいものの調査をしっかりとしておくことが重要です。
契約不適合責任を問われるのは、契約時点に伝えられていなかった、あるいはないとされていた不備が見つかった場合です。
契約を結ぶ時点で、買主に不備を伝えていれば契約不適合責任を負う可能性も下がります。
そのため、どのような不備があるか、調査をしっかりと行って確認し、伝えたうえで契約を結ぶようにしましょう。
次に、契約書に免責特約を記載しておくことをおすすめします。
契約書を作成する際に、懸念される事柄をしっかりと記載しましょう。
懸念されることを予め買主に確認してもらい、契約書の条項に契約不適合責任を負わないと記せば、責任を負わなくてよくなります。
そのため、どの範囲までは責任を負うのか、いつまでを対象とするのかなどを定め、売買契約書に記載しておくことをおすすめします。
また、契約不適合責任を通知する期間も契約の段階で定めておくとよいでしょう。
通知期間を定めておけば、数年前の売買契約についての責任を問われる可能性を低くすることができるからです。
*買主が権利を使用するために注意すべきことは?
まず、買主に追完請求権を利用する方法を買主が選べるか、確認しておくことが重要です。
契約不適合であった場合に、不備を契約に適合するよう売主に要求できる権利のことを追完請求権といいます。
この追完請求権では、売主について状況によっては買主が請求した方法以外での契約の履行を追完してもよいとなっています。
そのため、買主が望む方法で追完を行ってもらえる権利があるか、契約書を確認しておくようにしましょう。
次に、責任追及が可能な期間がいつにあたるのかということに注意しましょう。
契約不適合責任の権利は、定められた期間内にのみ利用できます。
そのため、契約書をしっかり確認し、自分が権利を利用できる期間を把握しておきましょう。
また、売主への通知は契約不適合に気が付いた時点から1年以内に行うことを忘れないようにしましょう。
□まとめ
今回は、契約不適合責任について該当期間や注意点、他の責任との違いも含めてご紹介しました。
当社では、新潟市周辺で空き家や相続についてお困りの方のご相談にお応えしております。
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